数学の勉強中にインターホンが鳴った。
何かと思って見て見ると…宅配便。
「…何か注文したっけ」
最近は勉強で忙しくて、通販などした記憶がない。
とりあえず中を開いてみる。

 

 


『パーフェクトグレード 1/1くんくん』

 


「またアイツか」

 

全然懲りてないなアイツは。
そういや真紅との『くんくんメール』は飽きてしばらく放置してたっけ。
(…よし、ちょっと脅かしてやるか)
僕は再び復讐を開始する事にした。
部屋に戻り、携帯の受信ボックスを開いてみて愕然とする。

 

未読メール:108件

 

全て真紅からのものだった。
キッカリ一時間おきに届いてやがる。
なんだこいつ。
…懲らしめてやる。

 

 

件名 やあ、久しぶり!
To 真紅
本文

こんにちは、僕くんくん!
しばらく連絡できなくてごめんね〜!
これは秘密なんだけど、実は僕…
…今、ペロリーナ男爵の屋敷に潜入中なんだ。
今日こそ奴の招待を暴いてやるぞー!!
真紅ちゃん、僕を応援しててね!!

……ハッ!ぺ、ペロリーナ男爵!!
なんで僕がここにいることがわかっ…

う、うわああああああああああああああああ〜!!

 

 

送信。
直後に響く絶叫。


「嫌ああああああああっ!く、くんくんっっ!!どうしたのぉっ!?」

効 果 覿 面
反応早いなぁコイツ。

続けてもう一通。

 

 

件名 無題
To 真紅
本文

うにゅー

 

 

送信。

 

「く、くんくん!うにゅー!?うにゅーとは何!?」

 

別に意味はない。
しかしこれで少し混乱しただろう真紅…!
さあ、どう出るかな。
直後メールが届く。

 

 

件名 無題
From 真紅
本文

今行

 

 

何だこの妙な必死さは
二文字だがひしひしと焦りが伝わってくる所が笑えるな。
…ん、待てよ?
今行……ってまさか!!
悪寒がしたので1階に下りてみる。
…案の定真紅がnのフィールドに旅立とうとしているところだった。

「おい、何やってんだよ真紅!」
「は、離しなさいジュン!くんくん、くんくんが危ないのだわっ!!」

僕の手を振りきってnのフィールドへ入る真紅。
……くんくん愛恐るべし。

かと言って、勝手に敵地に出向かれて力を使われちゃ僕も困る。
僕の身に災いが来ては本末転倒だ。
適当に回避させとこう。

 

 

件名 ふう。
To 真紅
本文

ふう、危なかった!
突然天井から槍が降ってきたんだ!
もうどうなることかと…
けどもう大丈夫!無事屋敷から脱出することが出来たからね!!
心配させちゃってゴメンね、真紅ちゃん。

 

 

送信。
間髪入れず返信が来る。

 

 

件名 くんくん〜♪
From 真紅
本文

やーのぉ、びっくりしたよくんくんー;
真紅、水銀燈を-ボコすとこだった!てへっ♪
でも突然槍が降ってくるなんて危ないね〜!
真紅も気をつけないと…。
…あっ、下僕が泣いてる!
ちょっと見てこないといけないのだわ。

 

 

泣いてねぇよ。
…じゃない、僕は下僕じゃないって言ってんだろ!
しかも『ボコすとこ』ってお前、水銀燈のフィールドまで行ったのかよ…

…しかし、この雛苺真紅も少し飽きてきたな。
ちょっと趣向を変えてみるか。

 

件名 真紅ちゃんって
To 真紅
本文

本当にお茶目なんだね!かわいい!
まあそれはどうでもいいとして。
この前ね、捜査をしている時に不思議な暗号を発見したんだ。
調べていくうちに、これは『若い人のみが使う暗号』だということがわかったんだ!
ギャル文字っていうらしい!
真紅ちゃんは、ギャル文字使えるかい?
僕は真紅ちゃんなら使えると信じているよ☆
それではお返事、よろし……くんくん!

 

 

案の定絶叫。

「か、かわいいだなんてそんなっ!照れるのだわくんくん……

 

お前次の一文読んでないだろ…。
あれか。
お前これだろ。

恋は盲目。

何だその都合のいい視界。
数分ほどして真紅からの返信が来た。

 

件名 もちзω
From 真紅
本文

もちзωイ吏ぇゑ@ナニ″ゎ、<ω<ω♪
⊇ぅ見ぇτも禾厶レよ□─セ″・/乂ィ〒″・/一@≠″ャ」レ文字ぇ甬τ″す。
<ω<ωも≠″ャ」レ文字τ″ゎカゝらナょレヽ事カゞぁっナニら、是非禾厶レニ聞レヽτ<ナニ″、ナレヽね。
…戸斤τ″<ω<ω、ぁ@……
カゝ、カゝゎレヽレヽっτ…禾厶@事……ぁ、ぁ丶)カゞー⊂ぅ。
⊇@事を言舌ιナニら、隣レニレヽゑ翠星石カゞ羨まιカゞっτぅゑ、ナレヽ@ナニ″ゎ。
τ″レよ、彳卸木幾女兼ょぅ<ω<ω♪

 

 

 

 

読めねぇよバカ

 

 

まさかここまで凝ってくるとは思わなかった。
ていうか、この短時間でどこで調べたんだコイツ…。
全く呪い人形は謎だらけだ。

返信も面倒になったので今日はここまで。
僕はベッドに横になった。
1階から『くんくん、喜んでくれてるといいのだわ』という声が聞こえたが無視する事にする。

 

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